神戸女子大学

ことばを深め、こころを読む。
Department of Japanese Language and Literature
日本語日本文学科
日本語、日本文学を深く理解し、
日本の文化に精通した教養人を目指す
時を経て新たな価値を発揮する文学作品を読み解き、日本の社会や文化を理解し、国際社会に貢献する教養人の育成を目指します。日本語の歴史と現在を理解し、日本語を用いた表現方法、コミュニケーション能力を磨きます。外国人に日本語を教える日本語教育に取り組み、国際社会の発展に寄与します。
Characteristics
日文で身に付く力
Subjects and skills emphasized
in the Department of Japanese Language and Literature
  • 01
    読解力
    行間に込められた意味や背景にある文化までことばを表面だけでなく深く知る力
    Reading comprehension
    他者を理解しようとする力
  • 02
    想像力
    自分の考え・感情・世界観を豊かな表現と的確な文脈で組み立てる力
    Creativity
    自分を理解しようとする力
  • 03
    発信力
    日本の素晴らしい文化を国内外にわかりやすく伝える力
    Communicativity
    自分と他者の相互理解を図る力
4 Types of Learning Styles
日文の4つの“学ぶ”
  • First style
    少人数の
    ゼミで学ぶ
    初年次から大学ならではの学びのスタイルであるゼミ形式で学べます。
  • Second style
    ユニークな
    手法で学ぶ
    海外の学生との双方向授業、アナウンサーによる講義、文学散歩・芸術鑑賞など体験を重視した学びの機会が豊富です。
  • Third style
    3つのコースで
    自由に学ぶ
    他のコースの科目も選択可能で、
    興味に応じて広く深く学べます。
  • Fourth style
    ことばと文化を
    多面的に学ぶ
    古典文学・近現代文学・古典芸能・日本語・日本語教育について学び、ことばと文化に迫ります。
Three courses
日文の3つのコース
  • Japanese Literature
    日本文学コース
    • 古典から現代文学まで、作者や時代背景、表現やことばの意味を考えながら深く読み込みます。

      また、書き手や登場人物の心を読み解くことで、さまざまな表現力を身につけ、自分自身のことばを磨きます。
    • 近現代文学講読
      社会背景や人物描写などさまざまな角度から作品を読み解くことで、これまで気づかなかった側面も見えてきます。
    • 古典文学特講
      各時代を代表する古典文学を関連作品とともに読むことで、いかに伝統を継承し、新しいものを創造していったかを多面的に把握します。
  • Classical Performing Arts
    古典芸能コース
    • 能・狂言・文楽・歌舞伎といった日本古典芸能の世界を探求します。

      文字・絵画資料から当時の語りや動きを読み取り、そこに表現された奥深いメッセージを、現代の人々に伝えていきます。
    • 古典芸能講読
      古典芸能の基礎知識の習得はもちろん、能楽・文楽鑑賞などの学外研修を通して古典芸能を肌で感じ、理解を深めます。
    • 芸能史
      芸能の始原から、古代・中世、近世に至る芸能の諸相を概観します。それぞれの時代の宗教・政治・社会状況や芸能環境をふまえて、総合的に芸能をとらえます。
  • Japanese Language
    日本語コース
    • 日本語のさまざまな文字や語、文体について深く知り、場面ごとの使い分けなどを学びます。

      実践で活かすのはもちろん、外国人に日本語を教える日本語教員も目指せます。
    • 日本語文法
      目的により大きく変化し発展する文法理論を学び、自分自身のことばの使い方などを振り返りながら、身近な問題に取り組んでいきます。
    • コミュニケーション特講
      テレビ局のスタジオ見学やジェスチャーとイラストで対話するワークショップなど、言語コミュニケーションに影響を与える様々な要素について学びます。

私の一冊

手紙の持つ力に
引き込まれた一冊

3回生 KIさん

高校3年生の時に読んだ
『拝啓 彼方からあなたへ』著者:谷瑞穂

『拝啓 彼方からあなたへ』谷 瑞恵、くまおり 純
(集英社オレンジ文庫)

どんな一冊?

「おたより庵」で起こる手紙にまつわるミステリー。

手紙専門店の女性オーナーに届く親友からの不可解な手紙を題材にしたミステリーです。一通の手紙から広がる様々な人の物語に心動かされました。また、心待ちにしていた返信を開封して読むという手紙の楽しみは、SNSやメールにはないものだと魅力を感じました。

この一冊でどう変わった?

何となくの読書から能動的な読書へ。

手紙への興味が増して、便箋をコレクションし始め、正式な綴り方を心がけるようになりました。また、この本に出会ってからは、谷瑞穂作品をまとめて読んだり、図書館で似たような文体やストーリーのものを司書の方に聞くなど、本の読み方が能動的になりました。

この一冊とあなたの学びの関係は?

「ことばの誤用」を卒論のテーマに。

すぐに訂正できない手紙の場合は特に、自分の思いを正確に伝える必要があります。けれども実際にはことわざや慣用句が間違った意味で使われるケースが多くあります。ことばがどう誤用され、なぜ誤用されるのかを卒論テーマとして研究したいと思います。

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私の一冊

自分を見つめる
大切さに気づいた一冊

1回生 NHさん

中学1年生の時に読んだ
『僕とおじいちゃんと魔法の塔』著者:香月日輪

『僕とおじいちゃんと魔法の塔(1)』香月 日輪
KADOKAWA/角川文庫

どんな一冊?

奇妙な塔とその住人たちによって自立するファンタジー。

主人公の龍神が、奇妙な塔とその住人である幽霊の祖父や使い魔に出会うことで自分の世界を広げていくファンタジーです。自分のことがあまりわからず苦悩する主人公に自分を重ねて読むことができ、あっという間に物語の世界に引き込まれていきました。

この一冊でどう変わった?

自らの意志で行動しようと思うように。

この物語は、自分で物事をほとんど考えてこなかった私に刺さりました。周囲の考えに従って良い子ちゃんで生きることはある意味で楽ですが、自分を成長させることはできないと気づかされたのです。自分のしたいことを探し、自分の意志で行動しようと決めました。

この一冊とあなたの学びの関係は?

方言について学ぶことを選択。

高校生の時に方言について興味を持ちましたが、働く上で役立てることが難しいのではと進学先を決める際に悩みました。そんな時にこの本のことを思い出し、自分の心に素直になって心から楽しいと思えることを学ぼうと日本語日本文学科への進学を決意しました。

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私の一冊

転校する私に
贈られた一冊

2回生 SRさん

中学3年生の時に読んだ
『くちびるに歌を』著者:中田永一

『くちびるに歌を』中田永一著(小学館)

どんな一冊?

合唱コンクールに奮闘する島の中学生の青春物語。

五島列島のとある中学校の合唱部部員がコンクール県大会に向け切磋琢磨する青春小説です。この本を読んだ当時、私自身が登場人物と同じく合唱部に所属し部長を務めていたため、仲間を思いやる気持ちや大会に向けて努力する姿に感銘を受けました。

この一冊でどう変わった?

ことばで感動を与えられる人になりたい。

この本は転校していく私に合唱部の副部長が贈ってくれたものです。読み進めていくとページごとに部員からのメッセージが挟んでありました。今でも合唱曲の歌詞に勇気づけられます。日本語のことばの力を実感し、ことばで感動を与えられる人になりたいと強く思うようになりました。

この一冊とあなたの学びの関係は?

歌詞の探究が日本語学への興味に。

合唱では歌詞の意味を深く探究することを心がけていました。歌詞を通じて、歴史の変遷・人々の心情・社会の変化など、日本語がどのように育まれてきたのかに興味を持つようになりました。現在は日本語学を専攻し、日本語とはどういうものかを研究しています。

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私の一冊

ことばの神秘的な
力を発見した一冊

2回生 TSさん

高校2年生の時に読んだ
『家守綺譚』著者:梨木香歩

梨木香歩『家守綺譚』(新潮文庫刊)

どんな一冊?

非現実的な存在や時間に包まれる幻想文学。

故人・桜鬼・化けたタヌキなどが登場する幻想文学です。木々や草花で表される時間の経過や、「」ではなく—を用いた会話など、説明的でない表現が新鮮でした。作中にことばが溶け込むことによって自分が非現実の世界にいるような感覚を味わうことができます。

この一冊でどう変わった?

図書館散歩や書店散歩が習慣に。

『家守綺譚』との出会いは全くの偶然でした。永井荷風の『墨東綺譚』を買いに書店に行ったところ見当たらず、店内を見て回っている際にタイトルの似たこの本を手に取ったのです。それ以来、本とのご縁を求めて、図書館散歩や書店散歩は欠かせなくなりました。

この一冊とあなたの学びの関係は?

ことばを感じさせない古典芸能の表現に夢中。

この本で「言葉があるのにそれを感じさせない表現」に興味を持ち、能・人形浄瑠璃・歌舞伎等の古典芸能においても、同様の表現があると感じました。古典芸能を学び、控えめでありながらも強く働くことばの神秘的な力について理解を深めたいです。

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私の一冊

知識で世界が変わる
ことを知った一冊

1回生 SMさん

中学3年生の時に読んだ
『植物図鑑』著者:有川浩

『植物図鑑』有川浩(幻冬舎刊)

どんな一冊?

植物に詳しく料理上手な男子とのラブストーリー。

植物おたくで料理上手な男性「イツキ」とルームシェアをする主人公「さやか」とのラブストーリーです。河原に生えている野草さえおいしい料理にしてくれるエピソードを通じて、知識があると日常の中に見える景色が違ってくることを教えてくれました。

この一冊でどう変わった?

丁寧な暮らしに憧れるように。

今まで興味のなかった「丁寧な暮らし」に対して少し憧れを持つようになりました。習慣化するほどではありませんが、いつかは今の私の生活と『植物図鑑』の作中のふたりの生活とを足して2で割るくらいの暮らしができる女の子になりたいと思っています。

この一冊とあなたの学びの関係は?

生活とは直接関係ない「変体仮名」に興味津々。

商店の看板などで見かける、通常のひらがなと異なる字体「変体仮名」に興味を持ち、学んでいます。一見自分たちの生活に関係がない事柄でも知識を持つと見える景色が変わることを本から学んだので、幅広く学んでいろんな景色を見てみたいです。

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私の一冊

辞書を丁寧に読む
きっかけになった一冊

1回生 WSさん

中学3年生の時に読んだ
『舟を編む』著者:三浦しをん

三浦しをん『舟を編む』/光文社文庫

どんな一冊?

国語辞書の編纂をめぐる人間模様が面白い。

国語辞書を完成させるために奮闘する出版社の編集者たちをめぐる物語です。難しそうなテーマですが、登場人物のかけあいがコミカルで、恋愛や様々な人間関係も描かれているので読みやすいです。辞書を作る過程が詳しく述べられているのも興味深かったです。

この一冊でどう変わった?

単語の意味を調べる時の姿勢が丁寧に。

ひとつの単語を辞書に載せるために多くの人が時間と労力をかけていること、辞書によって表現が異なることを知りました。このことを知ってからは、調べ物をする際にはいろんな辞書を比較し、適当に読むのではなく、真剣に隅々まで読むようになりました。

この一冊とあなたの学びの関係は?

「関西方言とオノマトペ」というテーマに柔軟に取り組めました。

ことばと柔軟に向き合う登場人物の姿勢や考え方に影響を受け、1回生後期の「関西方言とオノマトペ」の調査に活かせたと思います。これから日本文学を学ぶ上でも、作中のことばや人物の心情について考える時には『舟を編む』から得たことを活かしたいです。

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私の一冊

My most favorite book

ことばや文学と日々向き合っている日本語日本文学科の
6名が今の自分につながっている本を一冊ずつご紹介します。
先輩たちの本との向き合い方は、これからどんなことを学ぼうか考えているあなたにとって
ヒントを与えてくれるかもしれません。

Pickup
文化の継承と保全
古典芸能研究センター
古典芸能研究センターは、古典芸能に関する調査・研究と社会貢献のために、2001(平成13)年に行吉学園発祥の地である三宮キャンパスに開設されました。
中世芸能(能・狂言)、近世芸能(浄瑠璃・歌舞伎)、民俗芸能や沖縄祭祀に関する資料を幅広く収集して公開しています。展示をはじめ、研究会や特別講座の開催、紀要や書籍の刊行によって、研究成果の発信を行っています。
学生たちは、身近にあるこれらの資料や成果を利用し、ゼミの発表や卒業論文の作成などに役立てています。
Research Center of Classic Performing Arts
特殊コレクション
  • [中世芸能資料]
    橘文庫/大阪能楽観賞会事務局長 故橘豊秋氏と同観賞会旧蔵の書籍(洋装本・雑誌ほか)
    吉田文庫/近江長浜の旧家 吉田家旧蔵の能楽関係和書
    檜書店旧蔵版⽊/謡本の専門書店 檜書店旧蔵の謡本版木
    伊藤正義文庫/初代古典芸能研究センター長 故伊藤正義本学名誉教授旧蔵の能楽・中世文学と周縁領域の書籍(和書・洋装本・雑誌ほか)と資料
  • [近世芸能資料]
    かしら文庫/人形芸能史研究所所長 故加納克己氏収集の各地の人形浄瑠璃やかしらに関する資料
    志水文庫/故信多純一本学名誉教授旧蔵の近世演劇・近世文学と周縁領域の書籍(和書・洋装本・雑誌ほか)と資料および神道仏教版画
  • [民俗芸能資料]
    喜多文庫民俗芸能資料/民俗芸能研究家 故喜多慶治氏による調査資料(写真・ノートほか)
    沖縄祭祀資料/沖縄祭祀研究会による調査記録写真

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